靴屋の靴は穴だらけ。

京都・靴工房かたつむりの日記

「親子穴にも落とさず、ギザギザの谷の部分にも落とさないように、この1.5ミリくらいの間をまっすぐ縫ってね。」

お教室百景。
「どうしてもこの日までに!」があって急いでる人。
初めての一足で様子を探りながら自分のペースで作っている人。
いろいろですが、皆さんそれぞれ自分の作りたいものを自由に作っています。

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こちらは、とっても凝ったアッパーの、非常に集中力が要求されるパーツを一針一針丁寧に縫い進めています。「親子穴にも落とさず、ギザギザの谷の部分にも落とさないように、この1.5ミリくらいの間をまっすぐ縫ってね。大丈夫、できるから!」というハードな注文に全力で向き合い中。
縫い終わってどっと疲れてましたね〜

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お、なにやら真っ赤なライニングを裁断中のようです。
せっかく手作りだから「脱いだら実は赤!」っていいですよね。

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と思ったら、アッパーも血の滴るようなボルドーだぞ。
どんな靴になるのかしら。

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どんどん縫い進んで行きます。
踵の市(補強のパーツですね)をどのくらいくるんとさせようか、いい塩梅をみているところ。

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こちらもパターン終わっていよいよ本番の靴の裁断に入りました。
と思ったら、「この中腰が辛いです〜 体力ないんです〜」と女子生徒さんからは一回も聞いたことがないような弱々しい発言が。
「ワラーチ作って走りなよ!」
「いや、今の季節から走るのは…それに短パン履いてすね毛見せるのいやじゃないですかぁ〜」
と話はどうしようもない方向へ。男子頑張って!

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一区切りついてどかっと座り込む。
沼垂と書いて、ぬったり、と読むそうな。
今はもう新潟市と合併して消滅してしまったかつての新潟の地名だそうです。
私は不勉強で知りませんでした…

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さてさて、女子は勢いあります。
初めての吊り込みに挑戦中の一枚。
踵の芯を固めるための靴用ボンドを塗っているところですね。

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こんな感じで上手に吊り込めました。

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これはフィッティングを見るための仮履きです。
履いてみます。

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ギボシで閉じる、というのがデザインポイントの靴なのですが、ちょっと閉める時に手を差し込まないといけないし、あまり端っこにギボシをつけると掴みにくいということがわかったので、自分で考えてギボシの位置をちょっとずらしてもう一回履いてみました。

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バッチリだったので、自分でパターンを直していきます。
かたつむりでは、パターンも自分で引いてもらっています。
最初は難しいと思いますが、どんどん応用力がついてきて、自分の理想に近づけていくことができるようになっていきます。

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こちらは暑い季節に仮履きのブーツを縫い始めました。
縫い上がったら「なんか異様に細い気がします!足入らなかったらどうしよう」と不安になってその場で足入れてみる。
「ブーツ作ってる途中あるある」です。
大丈夫。ちゃんと測ってパターン引いてるんだから。

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もう3足目なので先の流れも見えているし、スピーディーに進みます。
大物はできた時の達成感も大きいです。
暑い季節にずっと作ってることになりますが、頑張っていきましょう!