靴屋の靴は穴だらけ。

京都・靴工房かたつむりの日記

こんまりさんを初めて知って「そうか!トキメキで決めるのか!」と思って周りを見回したら、かたつむりにはすでにトキメキで決めてる人ばかりでした。

f:id:katatsumuri-shoes:20150603223310j:plain
小洒落た雑貨屋さんに置いてありそなエキゾチックなバブーシュ。
この葉っぱのような模様は、小さなビーズを丁寧に刺繍で縫い止めたもの。

私が
「なるべく糸切らないで、一筆書きに近い感じで縫えるといいね」
と言ったので、しばらくグルグルと考えておられましたが、上手に仕上がりました!
f:id:katatsumuri-shoes:20150603223406j:plain
飾り穴の模様も、自分で考えて、
f:id:katatsumuri-shoes:20150604101940j:plain
中敷はなんとムートン!
そして
外履きになるように、ソールも貼りました。

ゴージャスだわ。
f:id:katatsumuri-shoes:20150603223453j:plain
以前ご両親に作った、犬のお散歩用バブーシュ。
おお。かわいいワンコだなあ。

次はいよいよ木型を使った靴作りのスタートですね。
f:id:katatsumuri-shoes:20150603223609j:plain
ハガワで髪留め作ったり、キーケース作ったり、すでに色々と手は動いていていて、
靴も、サクサクっと作っちゃうんじゃないでしょうか。
f:id:katatsumuri-shoes:20150603223630j:plain
そう、ハガワで髪留め。
オススメ。
f:id:katatsumuri-shoes:20150603223702j:plain
ノリ乾き待ちなどの隙間時間の発生した人にお勧めしたりしています。
f:id:katatsumuri-shoes:20150603223721j:plain
髪留めとともに完成した、真っ白なベビーシューズ。
お友達のお子さんへのサプライズプレゼントです。

最初彼女が自分で描いてきたデザイン画は、クリの浅いインディアンモカシンのような形だったんですが、歩くことを前提としたサイズで作るのならば、もっと深くまで覆って、甲のフィッティングを決められる、なにか調整の効く仕掛けを付けたほうがいいと思う、という私の言葉を素直に受け入れてくださって、こんな形になりました。

制作途中の棚にある時から、なぜだかみんなの目が留まる、そんなかわいい一足でした。
f:id:katatsumuri-shoes:20150603223801j:plain
ちっちゃなベビーシューズでも、木型抜くときは感動です。
f:id:katatsumuri-shoes:20150603223951j:plain
それが1年かかって作った大人の本格靴だったら、感慨もひとしお。
f:id:katatsumuri-shoes:20150603224029j:plain
作ってる間にすでにだいぶ貫禄の出た(笑)ヌメ革に、素手で丁寧にミンクオイルを塗りこんでます。
f:id:katatsumuri-shoes:20150603224104j:plain
いよいよ次回、持って帰りましょう!
f:id:katatsumuri-shoes:20150603224123j:plain
こちらも、つま先をスクエアにしたり、だいぶ2足目なりの進化をとげて木型を抜きました!
ボールガースから後ろが足にあってしまえば、次の靴からはつま先は遊べるので、ちょっとトウスタイルを変えてみたりするのはオススメです。

こちらも次回持って帰れそう、と思ったら
「インソールも自分で入れるし、靴ひもも買ってつけときます」と仰って、
この状態のまま、あっさり持って帰られました。笑。ひとそれぞれ。
f:id:katatsumuri-shoes:20150603224416j:plain
その他にも、木型抜くまであとちょっとな人たちが何人かいます。

底材の接着の段階にくると、乾き待ちで何十分、という待ち時間ができるので、
何しててもいいですよ〜
というと、コーヒー飲んでボーッとしてる人もいるけど、
f:id:katatsumuri-shoes:20150603224445j:plain
彼女は
「バブーシュ作りたい」ということで、隙間時間にまた別のものを作り始めました。
とにかくよく手が動くんです。
f:id:katatsumuri-shoes:20150604105033j:plain
「今週もかわいいシャツですね」
「あ、作りました〜」
「ほえ〜まじで」
という感じで、いっつもびっくりしています。
f:id:katatsumuri-shoes:20150604094445j:plain
よく手が動くといえば、こちらのワラーチのお二人も凄かったです。
とにかく、色んなものを一緒に作りに行かれるんですって。

「今日はワラーチ、明日は墨染めのストールを作りに行くんです。これまでも、ステンドグラスとか。。。」

お互いの色の好み、イメージ、作業のどこで止まるか、も本当によく分かり合っている。
こんな二人で、あちこちモノづくりして歩いたら楽しいんだろうなあ、と思いました。
f:id:katatsumuri-shoes:20150604094503j:plain
こちらはね。
「十二単を意識したカラーリング!」
だそうです。
足のスレに敏感な方だというお話だったので、お一人分だけあった、真っ赤なシルクの真田紐を提供しました。(シルクは通常ワークショップの選択肢にはないです!すんません。)
f:id:katatsumuri-shoes:20150604094634j:plain
十二単のイメージを形作る大事な黄色はダンロップ。
もう、みっちりむっちり粘っこい素材なので、紐通すのも、汗だくでした。

(ダンロップ。グラインダーかけてても、「削られまい!」とものすごく抵抗してくる。仕上げるのに時間かかります。。)
f:id:katatsumuri-shoes:20150604094742j:plain
色を意識して素材決めたい人にも人気なダンロップの底材。

オレンジとネイビーが新たに加わりました!
綺麗な色です。ぜひどうぞ。
f:id:katatsumuri-shoes:20150604094524j:plain
もうお一方も、ソールは全部真っ白しろじゃないと嫌だ!という強いこだわりがあり。。
f:id:katatsumuri-shoes:20150604094540j:plain
白いミッドクッション素材は、ちびっちゃいEVAの切れ端しかなかったので、パターン置いてみるまで足りるのかドキドキでしたが、足の小さい方で、ギリギリ入って胸をなでおろしました。。
f:id:katatsumuri-shoes:20150604094716j:plain
「黄色は自分の色じゃないけど、やっぱりどうしてもかわいい」って最後まで悩まれていたけれど、
結果大満足のものができたようでよかったです。
f:id:katatsumuri-shoes:20150604112445j:plain
そう。悩む悩む。
何を選ぶか悩んでる時が一番楽しいんです。
f:id:katatsumuri-shoes:20150604112949j:plain
娘さんがお母さんを誘って来てくださった、ばってんサンダル作り。

お母さん、初回は「私、今から何作るのかしら?」状態であんまりわかっておられませんでしたが(笑)、徐々に本領を発揮されてサクサクと進んでいきます。
f:id:katatsumuri-shoes:20150604112504j:plain
ミシンだってなんだって、お母さんより自信があるのに
いつのまにかお母さんの方が先に進んでるのは…
f:id:katatsumuri-shoes:20150604112530j:plain
まあ、単純に悩んでる時間の差。です。
ワラーチでもなんでも同じです。
悩んでる時間の差。

ゴールドのストラップ。
ソールを黒にするか…
f:id:katatsumuri-shoes:20150604112550j:plain
ベージュにするか…

それが問題。
う〜ん。どっちもステキ。

「トキメキで決めたらどうですかぁ〜?」
読んだばかりのこんまりさんの本に、もろに影響された一言を適当に吐いて背中を押してみる。

(しかし、こんまりさん。本読んでびっくりしました。この人只者じゃないね。
タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれて初めて本を読んでみるという、世間から、2周くらい遅れてその凄さに気づいたわけだけれども。。)
f:id:katatsumuri-shoes:20150604112649j:plain
話が蛇行しましたが、
結局ときめいたのは黒‼︎
ということで、めでたくお二人完成されました。
f:id:katatsumuri-shoes:20150604112716j:plain
予想よりも1回早く、計3回で出来てしまったので、持ち帰り用の袋の準備がなく、レジ袋に入れるしかなく。。
「さっきまでキラキラ輝いてたのに、なんだか急に〜笑」と笑いに変えてお帰りになりましたが、


みなさん。
完成しそうな時は、1週くらい前から、念のために、持って帰る袋と、靴の人は「かわいい靴下」ね。
これうっかり忘れると、
「今日に限ってなんでこの靴下!」ということになるので、よろしくお願いします。