靴屋の靴は穴だらけ。

京都・靴工房かたつむりの日記

子供のワラーチを考える!他、ワラーチオンリー特大号

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「あれ?また結び方変わりました? なんか、カッコいい。。」

踵の紐がズレ落ちるのが気になる、ということで、前回いらした時はゴム紐を踵に引っ掛ける紐2本使いだったような。紐穴の位置も2足目で、ちょっとズラしたんでした。
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もうこれで、踵、全くズレないとのこと。
両足で4メートル必要ということで、紐だけ4メートルを2種類買っていかれました。
(ワークショップ参加したことのある方には、材料だけでもお譲りしているので、お気軽にどうぞ。)
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リピートの方が、お仲間つれてまた遊びに来てくださることも増えてきました。
在庫1足分しかなかった黒×ピンクのドクロソールを巡って、一瞬誰が取るか…という緊張感が走りましたが(そんな大げさなもんじゃなかったかも。笑)、大人の分別を発揮しあって意外とサクッと素材が決まり、、
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と思ったら、男子1名、ひたすらずっと悩み続けている。。
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ミッドクッションも挟んで横から見てみたり、ずっと悩んでいる。

連れてきた先輩が、
「私は前に作ったペレマット気に入ってるよ。こないだ洗ったらまたふっくらしたし。」(←ナイス情報)
と強く背中を押し、
私も、決められない人は、ホントにひたすらずっと決められないので、ちょっと背中押そうと
「私も実はペレマットオススメですね〜色々サンプル作って履いてみたんですけど、どうしてもこれに手が伸びますね〜」と、言ってみたりする。(←あ、言ったことはホントに思ってる事実です。。)
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人数が多いと、
迷える子羊が発生しがちな紐結びも、
動画担当、
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静止画担当、
と、後で誰かのなにか見ればなんとかなるべ、と
抜かりなく記録。
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とにかく、7割は青とピンクなんじゃないかといつも思う、ワラーチワークショップをそのまま体現した色使いになりました。
一人杉綾ビブラム、あとは、ドクロソール。
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遠慮のないリピーターさんは、私がサンプル用にと買ったまま忘れて放置していた真田紐を、ごちゃごちゃボックスの中からヒョイっと見つけ出し、
ちゃっかり誰とも被らない紐で2足目のワラーチ。
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リピーターったらぼくも忘れてもらっちゃ困る、

と、まあ本人は言わなかったけれども、
今年も、3歳の息子とワラーチ作る季節がやってきました。

しかし、どうしたらそんな漫画みたいな青っ洟を片方だけきれいにたらせるんだろうか。。
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ハサミ、上手になったね。
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と思ったら、気に入らないのか、一瞬でわかりやすくムクれた。。
2ミリくらい線からずれただけなのに。。
「もうやらへん!」

「できる」と「できない」に繊細に傷つくその心は「成長」の証し。
それに風邪気味だしね。
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と思って、無理にやらしたりはせずに、お母ちゃんが切っちゃうよ。
足大きくなったな。
去年ほどのもったいないお化けは出なそう。
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ノリは塗ってくれるのね。
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革とヒモは、もちろん自分で選びたい。
「じつはなあ〜キライな色はないねん。ただ、とくべつに好きなんは、青とムラサキ」

去年は、突然作ることになり、大人用の4分幅の真田紐しかなかったのもあって、結局実用として日々使うところまではいかなかったのです。

今年は、彼の足でも負担の少ないように事前に靴紐を用意してその中から選んでもらいました。
ちなみに、足のサイズは今17センチくらい。
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3メートルってどのくら〜い?
ってこのくらいのおふざけで済んでるのも去年とは全然違うな。

あ、去年、2歳の時に初めて一緒にワラーチを作ってみたときの記録はこちらです。

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紐結んでもらって、
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いいじゃない。
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こちらも、前回のブログで載せた方が、わずか1週間くらいで早速のリピート。
お引越し前に、さらにこの日、2足作って、合計3足もって新生活です。

つま先をちょっと引っ掛ける事がある、特に右足。
ということで、パターンもちょっと変えて残りの2足を作ってみました。
バタバタしすぎて、出来上がりの写真撮り忘れました。。
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高校時代の友人が作りに来てくれたり、、
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全身真っ黒なのになぜか軽やかな彼女は、爪をちゃんと赤く塗ってきて、コーディネートばっちり。
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走るお連れさんに連れてこられました。
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こちらも、出来上がってみると、やっぱり好きな色って出ちゃうんだなあ〜
というシャツと同じピンクのワラーチ。
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こちらも、お連れさんに連れてこられた感じで(笑)、玄関先でワラーチを(おそらく初めて)見て、
「あ、これを今から作るのね!」という感じでしたが、楽しんでいただけました。
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さてさて。
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息子のワラーチ。
実は、リベンジ第2弾の製作と相成りました。
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これのダメだったところ。
1 とにかく本人がメゲるくらい突っかける。
2 着脱が自分一人で完結しない。
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「突っかけやすい」ということについて。
ソールの素材を全取っ替えしました。

試作1: ドクロソール + 3ミリブルーシート
              (本人の思うままに選ばせたらこうなりました)
                  ⬇︎
試作2: 杉綾ビブラム +  マイクロコルク
              (試作1号がペナペナ系のが2つ重なって、素材的にも突っかけやすい要素があったので、コシのある組み合わせに変えました。)
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そして、さらにそのコシのある素材を、つま先だけほんの少し薄くヤスり、
(パターン自体もほんのちょっと変えました)
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張り合わせた杉綾ビブラムのつま先も、ほんの少しヤスる。
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もうひとつ、鼻緒のヒモ先は、ソールの中に貼り込んで、路面に露出しないように作ってみました。
(写真に紐が写ってないですが、これはもうすでに、紐がくっついている状態)
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あと、もうひとつの「着脱が自分一人で完結しない」という問題。

これは、子供の靴をかんがえるときに、実はものすごく大事なこと。

子供は当然自分のことは自分でやりたいお年頃。

それから、いつも、私がそばについている時だけ靴の脱ぎ履きがあるわけではない。
自分で履きやすいのはもちろんのこと、
私以外の大人が履かせるときにも、「ん?どうやって履かせるんだ?」とか、「この靴めんどくさい…」という風にならない、ということが本当に大事。

保育園の靴を、ほんとはもっと色々やってみたいなあ…と思いながらも、3足連続で
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この形を踏襲しているのも、そんな理由です。
「自分で履きやすい」
「他の大人が履かせやすい」
「適当に履いても、大幅にへんなことにはならない」
というのが子供の靴の場合、大事。
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ということで、毎回、私がややこしい紐結んでやるわけにいかないので、
(今年に関してはね。まだ3歳なので。。)
なんとか着脱を容易にする工夫をしばらくウンウン考えて、
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ハガワにコの字に切れ込みを入れたものをかませて結ぶことで、その革をスライダーのように動かせるという仕掛けを考えてみました。
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この仕掛け、大成功。
機能しました。
ちゃんと留まる。
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他にも、
全面的に変更したソールの素材、
やすったつま先、
色々功を奏して、一回もつっかけずに歩いたり走ったりできるようになりました!
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だけど、子供ってびっくりするくらい、足のいろんな面を使っているのですね。

滑り台に見立てた神社の階段脇。
横向きに降りたり、逆さに滑ってみたり。
そうすると、足の側面とか、いろんな場所でスピードをコントロールしている。

私も誘われて滑ってみたけど、ワラーチで滑り台は、ちょっとストレスフルでした。笑。
ツンツン持ってかれてしまって…

子供の自然な行動、動きに全て対応できるわけではなくて、脱ぎたい場面も色々出てくるんですが、
まあ、去年よりは、自然な形で、日々の生活にワラーチが入り込んでくるんじゃないでしょうか。

子供の頃からワラーチに馴染んでるって、いいな〜
ま、無理強いはしないつもりですが、毎年作っていけたらいいな。