靴屋の靴は穴だらけ。

京都・靴工房かたつむりの日記

めっきり涼しくなった今日この頃、靴工房の母が「瞬足」と戦う季節がやって来ました。

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運動会が近づいてきています。
今年も、母、渾身の運動会スペシャルを作る季節がやってきました。
3歳になったので、今年は一部参加型。
はじめてのハンマーです。
後ろから支えていたので見えなかったのですが、後から写真をみてぞわっとしました。
全ての写真で固く目をつぶっている…
「大丈夫なよーに、おメメのとびら、閉めてたの。」

ぞわぞわっ。

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ちなみに去年の運動会スペシャルはこんなかんじ。
今年も、彼のセンスは変わらず、選んだ革はギラギラぴかぴかで
かあちゃんはサングラスないと靴作れないよ…

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今週はそんなムスコの保育園友達親子も遊びに来てくれました。
バッテンサンダルをモニター的に作りにきてみませんか?と声をかけてみました。
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なんとも賑やかな机の上。

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色選び、革選びはなによりも楽しい時間。
悩んだ末に、ムートン貼ることにしました。

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ままの切ったバッテンストラップでムスメが遊ぶ。。

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近々始めますので、もうちょっとだけ待っててね。
今、ワンデイでいけるのか、もうちょっと時間とってしっかり作るのか、初めてさんに作ってもらうことで落とし所を探っています。

幅広のストラップは、いろいろ個性が出しやすいかな?
ソールに貼るのは、布でも革でも。見える面積も大きいからここもいろいろ遊べそうだね。

自分の一足を妄想しておいてください!

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閑話休題。

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ワラーチキャンペーンです。
「いろいろ踏んでみたい」
もちろんです。
求める感じを探りながら、踏む、踏む、踏む。。
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触る、触る、触る。。
結局、サンドしても低反発シートの感じがちょっと残ったらいいな、ということで、、

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杉綾ビブラム    2ミリ低反発シート    スエード    六分幅真田紐(1.8センチ)という組み合わせに。

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普段ルナサンを使っている彼とは、
「ルナサンと自作ワラーチでは打つべき鼻緒の穴の位置がちょっと違うんでは」というようなことをず〜っと話させてもらって面白かった!
ちょっと図解なしで文章に書くのがむつかしいのでまた改めて機会があったら書きたいです。

次のポイントまでの区間区間で紐の長さを固定できる結び方だと、鼻緒から踵に伸びる一画目をゆるく置くことができる。→指またをグリグリしたところで対応可能。
ルナサンの紐の結び方だと、足首周りをがっちり固定したいと思ったら、巡り巡って一画目もピーンと張らざるを得ない。→一画目をピーンと直線的に張っても鼻緒周りが痛くならないためには、鼻緒の点は5ミリぐらい先に伸びている印象。

足の押さえ方が違うんでは、というお話。

彼は1.8センチのとても幅広の紐を選んだので、じゃあ穴の開け方をどうするか、ということもちょっと考えていました。悩んだ末に、鼻緒は1.8センチの紐はば通りの穴を直線的に開ける、両脇は斜めに入ってくるのでスカスカ動くと嫌ということで、1.2センチの穴にちょっとぎゅっと押し込む感じにしました。この荷造り用の真田紐は、腰がなくてやわやわなので、そういう入れ方にも適応力がある感じ。


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小指にいくのか、足の軸の方に持ってくるのか。
それも、その後の紐の結び方とか、紐の太さとか、柔らかさとか、その他、実は色んなことが関わってくる。みたいな話も出ましたね。
深くて面白いですね。

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みんな悩んで悩んで決めていきます。
そして素材増やしてから、めっきり横顔美人が多くなった。

上:杉綾ビブラム   3ミリ低反発シート   スエード
下:杉綾ビブラム   マイクロコルク         スエード   (化繊真田紐)

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ブルー系で爽やかにまとまりました。

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ダンロップ   ペレマット   スエード。

ミッドソールとしてマイクロコルクが気になったけど、ダンロップの黄色とベージュで変な感じだったから、ペレマットの黒にした、という横顔美人狙い。(がっつり走る目的ではなかったら、こういう選び方もいいかもですね)
紐も黄色。
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ダンロップの黄色が30×30のペレマットにいっぱいいっぱい。
こんな足大きい人初めて見た!
いや、見たことはなかったけど、大きな足の人は知っていた!

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感慨深い。。

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限定ハッピーターンの菓子折りを下げて、
「お世話になっていたようで」と遊びにきてくれたのは新郎さんです。
(ハテナ?な人は一つ前のブログ参照)

作業する新妻の姿を、ごくごく自然に合間合間に写真におさめていました。

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彼女の方はムートンで作ります!

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最初、パッツンと切りそろえようとしていたんだけど、ちょっと巻き込んだ方が可愛くない?ということで、サイドにも接着剤塗って、巻き込んでみました。

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たまらんボリューム感だ。。

UGGでもビーサンにムートン貼ったのでてるからね。
いろいろこれから他のサンダルにも使っていけそう。

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ムートンは紐穴が隠れるので、紐穴探って通すのが一苦労。
当然ダンナが、手伝います。

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めおとワラーチ。

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結婚式でプレゼントした靴に、ちゃんと足を測ってからインソールパッドを挿入して微調整。

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そして、彼女が靴作りの記録をまとめて彼に渡したアルバムを見せてもらいました。
あ〜‼︎この写真が欲しかったんだよ〜!と思いました。笑(ブログでは文章だけになっちゃった)
苦労して、縦横銀ペンで線引いて、穴開けて。。生々しい。
メダリオンの図案一生懸命考えてた試行錯誤のパターンも。。

写真が欲しいと言われて渡したけれど、かたつむりの渡したまあまあ大量な写真はこのアルバムにはほとんど使われていませんでした。笑

私はみんなの作ってる靴、正面から撮れないんだよね。
ちょっとどいてって正面から撮れないでしょ。
その靴に正面から向き合ってるのは、作ってる人だけなんだよね。
私はいつも、バタバタとみんなに次の工程の指示を出して、その隙間に斜め前から、斜め後ろから、適当に写真撮ってるだけだからね。

私は、みんなのちょっとしたお喋りから染み出てくる靴への想いを繋げて繋げてブログを書こうとするけれど、やっぱり、周辺情報と斜めから撮った写真なんだよね。

ということを、こういうアルバムを見せられると感じます。

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彼がグーグー寝てる写真もありました。ブログには載せないけど。笑
後でこういう形でちゃんと伝えようって思ってるから、写真撮るんだよね。

そして、以前旦那さんのお誕生日に靴を作った生徒さんのアルバムを見せてもらったときにも思ったけれど、最後のページのパートナーへのメッセージは、やっぱりストレートで深く、ジーンとしてしまいます。

靴じゃなくてももちろんいいけど、でもやっぱり靴を作りたかったんだろうな。
靴工房主としての多少の上げ底感はありつつも、そう思います。

なんてったって、人生を文字通りいっしょに「歩いて」いくわけだからね。

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そして、みんな誰かのために靴を作りたい。
今度は、別の生徒さんのご両親への靴がスタートを切っています。

何気無く色鉛筆で塗ったブルーがとてもいい感じなんだけど、
この色の革ないね〜意外と青の革って少ないんだよ、なんて話をしながら。

なんとか見つけて来ましょ。
みんなの想いを全力サポート。