靴屋の靴は穴だらけ。

京都・靴工房かたつむりの日記

生徒さんに送る、かたつむり的「ヨメとダンナの使い分け」のススメ。夫婦で楽しく教えています。

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確かに昼下がりのけだるい時間帯ではあったけど、どうしてこんなに眠い感じの写真になるんだろう?と思ったら、カメラがなんちゃらエフェクトモード設定に勝手になっていました。以下、今週はずっと眠い感じの写真ですがあしからず。

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なるほど、焦点以外のところを大胆にボカしてくれるわけだな。
いや、皆さんぼかす必要のないくらい、丁寧に上手にできていますが。

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芯もライニングも無しで、主に筒のパターンをみるために作った試着ブーツの木型が抜けましたよ。

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鏡を出してきて、前から横からチェックに余念がありません。
うんうん、意外と合わせるのが難しいふくらはぎのカーブが上手に出てる。

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「後ろもう5ミリだけつまむ?いや、ちょっと太めの筒の中に隙間があって細い足があった方が結局脚は細く見えるから、このままにしようか」などど、あーだこーだ女子がチェックしあってますが、後ろの男子2人はホントに興味がない…
よくわかりませんけど、なんか違うんですか?なオーラが隠しきれません。

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わざと外側を高く盛り上げて内外差をつけていた履き口を思い切ってまっすぐにカットしてみたり、

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履き口の上部のパターンを切り替えてラインが入ったらどう見えるかマジックで書いてみたり、
試着靴は、自由に切ったり貼ったり書いたりして自分の思う形に近づけていきます。

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それを基にパターンに反映させていきます。
ファスナーは下側だけにするか、上まで突っ切るか、悩んでいますね〜
仕立て方がちょっと変わる、木型の抜きやすさも変わる…
どうしようかな〜

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こちらは、つい先日新しく一足目を始めたばかりの生徒さんが、4センチヒールのパンプスのパターンに挑戦中。
センターラインを引いています。
立体にまっすぐな線(まっすぐに見える線)を引くのは意外と難しいんですよ。

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なにやら、自分の作りたい理想の形が頭の中にはっきりあるようで、
足と木型を見比べてあーでもないこーでもないとやっています。

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ん〜なんだかあと一息自分の頭の中にあるイメージと違うんです〜
だけど、自分でも自分の頭の中に最初どんなイメージがあったのかわからなくなってきました!

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ということで、そういえば、と持ってきていたオシャレな参考雑誌登場。
あ、こんな風にもっともっと直線的な感じにしたかったのね。

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「え?俺にも見せて。ま、俺にはそーゆー世界はわからんけどな。」
乙女心のかゆいところに手の届かない男子にパターンを任せることは出来ないので、パターンはなるたけヨメが見るようにしています。
(でも逆に、吊り込みの極意は初めての人はダンナに聞くのが多分圧倒的にわかりやすいので、ダンナがいたらダンナに聞いてくださいね。普段は基本とても細かいヨメなんですが、吊り込みになるとなぜか、「どうやったら点取れるんですか?」「なんも難しくない、ゴールに向かってボール蹴るだけだよ」という釜本邦茂タイプに変わってしまいます。なんでだろ。ダンナは手取り足取り細かなコツを教えてくれますよ。ダンナが吊り込みを教えているのを横で見ていて「言葉数が多すぎて座学のようだ!」と挑発したりして迷惑なヨメです…)

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さてさて、パターンのお話に戻りましょ。
「この写真から察するにこんな感じに見えるけど」ということでヨメが引いたラインにパッと顔が輝いた生徒さん。(←ただのヨメの自画自賛です)
ラインが決まったら、どんどん切り分けて平面のパターンに落とし込んでいきます。

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カッターで丁寧に丁寧に。

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いろんな代をつけて…


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吊り込み以外にも、実はヨメがダンナを「ちょっと説明代わって〜」と呼んでしまう時があります。

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ヨメは実は左利き。
革包丁での手漉きを教えている時なんかに、生徒さんの正面に座り「鏡見てると思って私のまねっこしてみてください」が実は生徒さんにとってはすごく分かりづらかった、ということについ最近気がつきました。
ダンナの横に並んで見ていると、スッと刃の当て方がわかるようです。

ヨメとダンナを使い分ける賢い生徒さんが増加中ですな。