靴屋の靴は穴だらけ。

京都・靴工房かたつむりの日記

ネットでも買えるけれど、ご主人のお話を聞きにどんなに忙しくても足を運んでしまう「真田紐師江南」さんのこと。

増税前にまとめ買いしておくか、と買っておいた真田紐があっという間にはけてきてしまったのでご近所の真田紐専門店「真田紐師江南」さんに買い出しに行ってきました。
たくさん作りに来ていただいてありがとうございます。半年は持つかと思っていたのに嬉しい誤算。
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いつものご主人が奥から出てきて対応してくださいます。
ワンクリックで一瞬で物が買えるこの時代ですが、江南さんに来るとちょっとのお買い物でも1、2時間あっという間に経ってしまいます。丁寧に一種類ずつ長さを測り、きれいに紙紐で結わえてくださいます。その間、真田紐に関するいろんなお話を伺っていると楽しくてついつい長居してしまうのです。

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こちらは、藍染め手織りの真田紐。
写真で伝え切れていないのですが、近くで見ると物としての存在感が抜群。

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素朴でやさしい色合いに、今の機械織りのものよりふっくらとした手織りの厚み。

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今は大部分機械織りですが、手織りのものはこんな機でぱったんぱったん織るのです。
そうそう、再来年の大河ドラマ真田幸村が主役に決まりましたね。
三谷幸喜の脚本で今から楽しみ!
以前テレ東で真田幸村のドラマをやった時に、江南さんのおばちゃんが真田紐を内職で織るシーンで国生さゆりさんの手タレをしたことがあると伺っていたので、もしかしたらまたおばちゃんの出番があるのかな?楽しみです。

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この写真は「真田紐の強度の秘密は?」「平紐の真田紐でも他の一般的な平紐より強いんですか?」の私の質問にご主人が説明してくださっているところ。
ワラーチでも、平紐の方がスレが気にならないということで平紐使われる方もいらっしゃいます。袋織りの構造が真田紐の強度の秘密だと思っていたので、「耐久性は気にしないから平紐でいい」という人はあえて真田紐じゃなくてもいいのかも?という素朴な疑問もあったので聞いてみました。(あ、もちろん化繊でもなんでもいいんですよ。正解はないです)
が、やっぱり単の真田紐も普通の紐よりどうやら強そう。
複数本の横糸に絶妙なよりをかけて密に織っているので強いのだそうです。
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上が今の機械織り真田紐。何本もの横糸が一段に渡っています。
(参考までに、下は昔の手織り草木染めの真田紐。同じく何本もの綿糸が横糸に使われているんですが、一段に織り込まれている糸の量が全然違うのがわかりますでしょうか?昔の物作りはすごいですね。見た目のふっくら感も全然違います。)

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そして、草木染めとともに、江南さんに行くといつもうっとり眺めてしまうのがシルクの真田紐です。
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とにかく発色がよく見栄えがするのです。
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ワラーチワークショップに来られた方に、私が普段ばきにしているワラーチを参考にお見せすると「その紐は選択肢にないのですか?すごく見栄えがする!」とおっしゃる方が多い、この紐は実はシルクの真田紐です。(黒に茶金が渋いでしょ?)
1m千円もするし、耐久性も、十分とはいえやはり綿糸の方が若干強いので、ワークショップの基本セットとしては採用していない贅沢ワラーチです。(綿糸は雨の時縮んでしまうのが欠点ですが、このシルクの紐はこの前通り雨に降られた時も縮みませんでした。)
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渋い色味でも発するオーラが違います。
仕入れるのはワラーチワークショップで使う綿の袋の4分幅ですが、その辺はチャチャっと選び、あとはひたすらシルクの真田紐をみて「美しいです〜」とため息をついているいつものパターン…

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するとなんと! 
ご主人が大きなケースにざっくり収納された半端に残ったシルク紐を物色してもいいですよと出してきてくださいました!

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お宝の山!
ワラーチ用の紐としては片足1.5m取れる長さのものはほとんど残っていないので、いつか工夫して何かにしようと、いろんな種類の美しい紐を選び出しました。(大幅におまけしてもらいました。嬉しかったです。)

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うふふ。
紫も、赤もピンクも水色も、全て美しいです。

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いつものように、丁寧に紙紐で結わえてもらい、帰ってきました。
真田紐師江南さんは、かたつむりからまっすぐ松原通を西に向かい、堀川通を二本越えて、ちょっと北に上がったところにあります。
京都在住の方はぜひぜひ訪れてみてください。ご主人との真田紐トークに長居してしまうこと間違いなし。ディープキョウトな空間です。

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お宝探しですくい上げたオフホワイトのシルク真田紐で、教室の合間にちゃちゃっとこんな感じで作ってみました。
(ミッドソールは実は初登場のEVAです。その話はまた今度書くことにして…)
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足映えもバッチリ!