靴屋の靴は穴だらけ。

京都・靴工房かたつむりの日記

「数学の苦手な人は、数学ではなくて「図工」からやり直さないといけない。」

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今週のワラーチも、皆さんの紐、革選びのセンス爆発。
派手に見えても、履いたらすっとその人に馴染むから不思議です。

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そんな中、ぷらっと工房の見学にいらした方が。
工房の工具に興味津々です。
「手入れされた道具を見るのは気持ちいいですね〜」と仰りながら、革包丁や靴作りの道具あれこれを眺めておられました。
親子穴のヌキを見て、「これを溶接した人が偉い」と仰り、
そんな視点になんだか嬉しくなった工房主でした。

ワラーチにも以前から関心がおありだったようで、

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たまたまワラーチを作りにこられていた方がいたので、紐の結び方まで一緒に学ばれて行きました。
「道具は100均の彫刻刀の中で幅の近いものを流用して、紐は…」と自分なりに揃えられるもので作ってみたいと、楽しそうに算段しておられました。

これってとっても大切なことで、○○がないと作れない、ということはないので、手持ちの道具を工夫してまずは自分で作ってみる。
かたつむりでは、紐穴を開けるのに紐幅ジャストの1.2センチのボタンノミを使っていますが、なかったら何かで代用すればいい。(1000円以上するしね。一足作るだけのために買おうとは思わないでしょ?)何で代用したら安価にきれいにできるか、考えて見ると面白いですね。

「ものづくり思考力が落ちてきているんですよね〜」と、見学者の方。
ものづくりの経験が圧倒的に少ないから、自分の作りたいものを、どういう道筋でどういう道具を使って作るかということが組み立てられない、と。

手先の器用さは、他のお勉強にも関係するんですよ、というようなお話も。

「数学が苦手な子、放物線がわからない子は、数学を頑張るんじゃなくて、図工からやり直さないといけないんですよ。自分でちゃんと放物線が描けないから脳内でイメージできない。」

うんうん、思い当たる人も多いはず。

確かに、器用に手先が使えるということの先にはいろんな可能性が広がっています。
教室の生徒さんも、最初はものづくりの経験ゼロ、で来ていただいて大歓迎!
ですが、刃物の使い方、道具の使い方をちょっとずつ覚えて、ものづくりの基礎力を鍛え、
どんどん「器用」になっていってもらいたいです。できること、作れる靴の幅が圧倒的に広がって行きます。 
自分の身体感覚と道具が一体化すると、どんどん楽しくなっていくはず。

さてさて、ワラーチに話をもどしましょ。
今週もいろんな方が作りにきてくれました。

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紐、長いですね〜
片足1.5m使っていただいているんですが、走られている方はやはり足が発達していて非常に紐を食う立派な肉付きをしている方も多く、男性だと、紐先が余らずにつんつるてんになってしまう人も時々見受けられます。
予め予備の紐で結んでみて必要な長さを出しておくなどの対策が必要かもしれないです。(←考えておきます)

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おもし、そんなに重ねなくてもたぶん大丈夫(笑)
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こちらは鮮やかなピンクのスエードで。

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こちらはお友達2人でワラーチつくりに来てくれました。
包丁の切り回しに手こずり、
図らずも「お料理包丁も苦手…」がバレてしまったアウトドア女子ですが、

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この後の紐結びでバツグンの飲み込み力を発揮し、
お友達男子を周回遅れで抜き去りました。
(←女子:一旦結び終わり、躊躇なくほどき、勝手に2回目復習中
    ←男子:ダンナに手伝ってもらいながらの、なんとかかんとか一回目)

これから本格的に運動を始めたいとのこと。
楽しんでワラーチ走してみてくださいね〜