靴屋の靴は穴だらけ。

京都・靴工房かたつむりの日記

かたつむり史上最大29.5センチの木型を前に、ジャイアント馬場の足のサイズが話題になったある日のお教室。

今週も、教室ではみなさんそれぞれ思い思いの手作業の時間。
見学の方もいらして、「みなさんカリキュラムのように同じことをしてるのかと思ってました」とおっしゃってましたが、それぞれ自分の作りたいものを自由に作っています。

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さあ、Openの札を下げて今日も窓全開!

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背広着たまま仕事終わりに駆けつけた生徒さん。
木型の補正を終えてパターンに入りました。
ちょっと履き口の深さや一文字のラインを変えるだけでガラッと雰囲気が変わるのを実感されたみたい。「この靴がかわいい!」とネットで探してきたデザインを自分の足に合わせて補正した違う木型に乗せるときには、またちょっとラインの落とし所が違ったりしてきますよね。
踵が落ちる限界と、かわいいと思うラインがせめぎあいます。

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確実に一つ一つ選び取って進みます。
「どっちのパーツが下に潜るの? 履き口は折り込むの?」
分解したパーツに、一つ一つ必要な代をつけていきます。
縫製は、細かいことの積み重ねで靴の雰囲気が左右されるので、生徒さんには取り得る選択肢と、難易度の話などもできるだけ丁寧にするように心掛けています。
難易度の話は、意外と「でもこっちがいいので頑張ります!」という方が多くて頼もしい限り。
一足目だからなどと考えずに自分の求めるものを選んでいった方が、多少失敗したとしても満足度は高いのは間違いないですね。

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ワラーチ作りに来てくれた方もいらっしゃいました。
あっという間に器用に作り、
「はあ〜、ノラジョーンズ聞きながらワラーチ作るなんて最高ですね〜」とか言いながら

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あっという間に紐を結び、

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あっという間に走り去っていかれました(笑)
工房までも山科から走ってきたっておっしゃってましたかね。
ワラーチつくりに来た方と通常のお教室の生徒さんが同席すると、
生徒さんと私は「あ〜またあっという間に走って行っちゃいましたね〜」と呆気に取られて笑ってしまうのです。

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ちなみに、真っ赤なスエードにネイビーの紐。
男性で赤を選ばれる方が本当に多いように思います。

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さてさてこちらは、吊り込みに備えて分厚い中底の革を剪定バサミで切っていますね。
なんと29.5センチという大きな大きな靴を作るので、本当にギリギリでした…

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木型に釘で留めつけていきます。
釘を打つのは小学校以来とおっしゃってたかな。
しかし、29.5センチの木型は重い‼︎ 
吊り込み始めたら重いプラスチックの塊抱えて大変ですが、頑張っていきましょう!

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こちらは革でヒールを積み上げているところ。
包丁で切り回すのもちょっと慣れてきましたかね。

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ちょっと難しい微調整はダンナが助け舟を出しつつ、
両足4枚ずつを積み終わりました。

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こちらはライニングの縫製中の一枚。
パーツの多い靴でパズルのようですが、あと一息!

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汗をかきかき木型の補正を頑張っていた生徒さんも。
小さいとはいえバーナーの前での作業なので、真夏は正直大変です。
甲高の足に合わせて盛り盛りした流れで、必要のないところまで分厚く盛ってしまったので、ちょっと削り取っているところですね。
野暮ったくなっていたのが、この後グッとグラマラスになりました。

工房百景。
楽しそうでしょ?
生徒さん絶賛募集中です。

あ、ちなみにジャイアント馬場の足のサイズは32センチだったそうな。
十六文キックって言われますが、ホントは十四文くらいだったんですね。(一文約2.4センチ)