読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

靴屋の靴は穴だらけ。

京都・靴工房かたつむりの日記

X-Pacを補強に使ったタイベックシューズ(第二弾‼︎)から、まさかのポテチの袋の音がする…

靴のこと ワラーチのこと

タイベックシューズ第二弾です。

第一弾の反省点を色々ちょっとずつ変えて作ってみます。
今回は補強布に前回のダイニーマのかわりに、X-Pacを使ってみました。


f:id:katatsumuri-shoes:20140427182419j:plain
うん、ネイビー✖︎白でなかなか爽やかな感じ。
前回、タイベック直で打ったハトメがあっという間に耐久性の限界を超えたので、今回は裏もX-Pacで補強しました。


f:id:katatsumuri-shoes:20140427182450j:plain
中底の仕様は、思い切ってワラーチ仕様にチェンジ。
表面のスエードとペレマットの下に、吊り込みでアッパーの革を受け止めるために、普段はベビーシューズのインソールに使っている多少厚めの革を貼りました。

(前回革中底が重かったのでパルプ素材のバッカーを使ったのですが、履いたかんじが、アッパーのあまりの軽さ、存在感のなさに対して、ちょっと返りが悪くて硬い感じがしたので変えてみました。)

f:id:katatsumuri-shoes:20140427182515j:plain
ピンクのスエードにしよう。
自分の靴だから、生徒さんには避けてくださいと言うびろびろのお腹の部分を使いましょ。


f:id:katatsumuri-shoes:20140427182538j:plain
保育園から帰ってきたドラ息子が堂々と作業机でプッチンプリンを食べ始めたので、しばし汚されないように避難。(熱々の工房作業ライトを素手で触り名誉のやけど負傷中の為、本人の希望で包帯代わりに毛糸の手袋でがっちりガード。←ホントはもう治っているが外そうとしない…)

f:id:katatsumuri-shoes:20140427182652j:plain
脱線しましたが、中底サンドイッチはこんな感じ。
いつもの靴作りでは考えられないなあ。

f:id:katatsumuri-shoes:20140427182715j:plain
中底を木型にセットして吊り込みます。
X-Pacも、ダイニーマ同様のりの付きは問題なし。

f:id:katatsumuri-shoes:20140427182741j:plain
X-Pacはとにかく伸びない。
バイアスにもほとんど伸びない。ダイニーマはバイアス方向に引っ張るとちょっと伸びるから多少吊り込みやすかったけど、X-Pacはもう「伸ばしてしわを消す」という吊り込みの基本が通用しないので、しわが寄ってしまうのをもう諦めざるを得ない。
伸ばすことで2次元を3次元に立体化していくことのできる「革」の靴素材としての適性を改めて強く感じます。通気性、強度、ともに、昔の人が革を鞣して靴にしようと思ったのは本当にスゴイ。

f:id:katatsumuri-shoes:20140427182808j:plain
そして、中底だけでなく、せっかくだからアウトソールの素材もちょっとチェンジ!
前回使った、ワラーチでお馴染みのビブラムシートではなく、杉綾のビブラム。
これはハサミでもサクサク綺麗に切れるし、持った感じいつものビブラムシートよりすごく軽く感じます。(今度同じ面積切り出して、重さを測り比べてみよう。)ワラーチワークショップに来た方が、2足目の素材として分けてください、ということでこの杉綾をもっていかれたことがそういえばありましたな。


f:id:katatsumuri-shoes:20140427182901j:plain
めでたく木型を抜いてご出産〜


f:id:katatsumuri-shoes:20140427182935j:plain
うん、なかなかいいいよ。

f:id:katatsumuri-shoes:20140427183000j:plain
110gか。前回よりだいぶ重いけど、耐久性UP、履き心地UPを狙ったのだからこれでいいのだ。
ちゃんと実用の道具になるように。

1足目を履いての感想は、「タイベックは(ハードタイベックでも)足元に来るには、とっても弱い」ということ。
弱いタイベック素材をちょっとでも持たせるためにできるのは恐らく、

1:力のかかる部分は、補強布でストラップサンダルのようなイメージで全部連結してしまい、タイベック部分に負荷がかからないようにする。

2:縫い目を極力減らす。(折り紙の応用のような形でなにか立体化できないかな?とごにょごにょ暖め中)

3:二重にする、裏打ちする(←強くなってもこれをやるとあまり意味がないなあ)

他にもいろいろ考えればありそうですね。
今回は、1の方法でやってみました。というか、前回のパターンの使い回し(笑)です。
なにか違う形を、とも思いましたが、ちゃかちゃか形を変えると、補強布や中底、アウトソールを変えたことの変化がわかりにくくなるかな、という思いもありました。

2、の方法は「靴」の立体感を考えるととても難しい。
革は伸びるので、縫い目を少なくした為に立体化しきれていなくても、伸ばして吊り込んで立体化することができます。(もちろん吊り込みはむつかしくなるけれど…)
伸びない素材(X-Pac)や、伸ばそうと引っ張ると切れてしまう素材(タイベック)を使う時は、もうアッパーの縫製が終わっている時点で、カポッと木型にかぶせたらそのまま靴の形になってるくらいまで立体化できていないと厳しい。
だから、今回の靴のようにパーツが多く切り刻んだ感じのデザインになってしまい、もう一工夫なんか思いついてないなにかがありそうなんだけどな〜と、ウンウン唸ってしまうわけです…


f:id:katatsumuri-shoes:20140427183021j:plain
何はともあれ、ワクワクした気持ちで履いてみました!
おっ‼︎
中底のクッション性も増していい感じだし、1足目の時の、なんか履くだけで破けてしまいそうという不安感もない‼︎ 足入れ第一印象のバージョンアップ感がハンパない!

よし、このまま外に駆け出そうかと、2歩3歩踏み込んだとき、
んんんっ⁇

いや、タイトルにも我慢できなくて結論書いてしまってるんですが、
バリバリっという、ポテチなんかのお菓子の袋から聞こえてくるような耳障りな音がなぜか靴から聞こえてきました。

んんんっ⁇
音の出処を探ってみると、ふまずのあたりのX-Pacが踏み込む度にバリバリ言っている。。

いやもう笑ってしまうくらい大きな音がするので、本当に笑ってしまい、速攻で脱ぎました。
図書館や本屋さんには行けない、というようなレベルではないです。
もう表を歩いたら、5m先から、あの人なんか靴バリバリ言わせてるけどなんなのかしら、という視線を投げられること必至。

というわけで、色々な改良を試みたのですが、なにも試すことができません。
恥ずかしくて外に履いて行くことができません!
「履けばいいじゃん〜誰も気にしてないよ〜」
とニタニタ笑いながら言い放つ夫を前に、ハンカチを噛み締めながら、

カバンと靴は違うんだなあ…
ダイニーマで全く音しなかったのにまさかX-Pacでこんなことになるなんてなあ。
どこにもX-Pacがうるさいなんて書いてなかったなあ、ブツブツ。。
てか、平面のときは自分も気がつかなかったなあ。。
靴から音がしないって、本当は奇跡的にスバラシイことなんだなあ…(←なんだそれ…)
X-Pacの大きなダイヤモンド、裁断するときに布目が実はすごく気になったんだよなあ…
ふまず部分の布目の方向がもしかしたらなにか関係あったりするのかなあ…

などとしばらくブツブツしたのち
だんだん元気になって来て、

気持ち良く大玉砕したって感じだなあ〜
新しい素材を使うって面白い‼︎
また次作ろう‼︎

となっています(笑)

外に連れて行けないので(涙)、工房に遊びに来てくれた方ぐらいは是非実物をみてやってくださいね。
チャンチャン。




広告を非表示にする