靴屋の靴は穴だらけ。

京都・靴工房かたつむりの日記

タイベックで靴を作ってみました。

タイベックで靴を作ろうと思った時、一番ネックになると思ったのは

1:縫製(ミシン針の穴の開きかたが靴としての強度に影響しそう)
2:釣り込みでの引っ張りに耐えられるか
3:靴つくりの接着剤がきくか

の3点。

「雨靴」としてのシームシールは、靴として普通に歩く強度耐久性がまあまあ確保されるくらいバージョンアップしたら考えよう、ということで、今回は特にしていません。ミシンは、何回か試し縫いした結果、普通のミシン針より、縫い割で使う針の方が縫い目が多少安定した感じがしたのでそちらをチョイス。

 心配その2の「釣り込みに耐えられなさそう」に対して、ダイニーマXグリッドストップを釣り込み代側にぐるっと回したのですが、このダイニーマがとにかくミシン泣かせで、糸調子ガタガタ。(ダイニーマの強い繊維が問題なのか、革用のミシンの押さえが薄すぎるものに対してどうしていいのか分からない感じで狂ってしまうのか、どちらだろう。洋裁のミシン使ってたら、意外と普通に縫えそうな気もします。今回は靴つくりの環境を流用できると色々いいので、革用のミシンを使いました。)

 

 

ダイニーマは安心感抜群で釣り込みで切れそう、という不安感は全くなかったのだけど、逆に、ダイニーマとタイベックの縫い合わせ部分が釣り込みで引っ張ったら片足だけ切れてしまいました。靴のデザインとしては、いっつも足回りぐるりにチェックのダイニーマが来ないと成立しないのだとちょっと雰囲気限定されてしまうので、ダイニーマ部分はもうちょっと強度を落として見た目にも気を配れたらいいな、と思う反面、主役のタイベックにはもうひといき強くあって欲しいというのが正直な感想。

心配その2の「ノリ効かなそう」は杞憂に終りました。バッチリつきました。

 

 

 

コンバースシューズ :78g(靴紐込み)
15センチ子ども雨靴  :38g(片足の重さです)

という結果。とにかく、靴として圧倒的に軽いです。2歳の息子が私の靴の靴紐を小指に引っ掛けてヒョイと持ちました。タイベック以外の構成要素としては、パルプのバッカーと革の中底の重さを比べたところ、革の方が2倍重かったのでバッカーを選び、アウトソールとしては、大人靴にはビブラムソール(ワラーチの底に皆さん一般的に貼られるもの)、子ども雨靴には3ミリ厚のラバーソールを貼ってあります。重さは、ほとんど、タイベック以外の靴資材の重さですね。

 

 

 

 

 

履いてみて、すぐにでもどこか破けるんじゃないかという感じのどこから見ても紙にしか見えない見た目で、恐る恐る足を入れましたが、とにかく軽く、履いてウキウキ、自由な気持ち!破けそうで怖いくせに、近所の喫茶店までちょっと小走りで走ってみました。いや〜イイな〜、育てたいな〜という気持ちです。第一段階として、靴の形にまとめるところまでは出来たので、あとは、強度と耐久性をちょっとずつの工夫で上げていければ。

 

 

ボチボチ、趣味プロジェクトとして楽しんでやっていこうと思います。