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靴屋の靴は穴だらけ。

京都・靴工房かたつむりの日記

靴をつくること

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先日、日曜日の靴教室で、生徒さんの靴が完成しました。
愛する彼女のために作った靴で、時間(誕生日までに仕上げないといけない)や条件(色々とあって、正確に足の計測ができない)などのハードルをクリアしての完成です。

こう言っては何ですが、「誕生日に靴がどのような形でプレゼントされ、彼女がどれだけ狂喜乱舞するか」なんてことには、それ程興味が無いわけです。そう言うのは、若い二人が勝手にやればよろしい。

何よりも嬉しかったのは、靴が出来上がろうとする時に工房を満たしたあの空気でした。

靴を木型から抜いた時のあの高揚感(「やった、出来た!」)。
市切りで裏革をさらう時の、「早く、早く」という感じ(「え、完成ちゃうの?まだ作業あるの?」)。
中敷きを貼り付けて鼻息あらく「出来た!」と宣言するときの、血沸き肉踊る感(「これで完成?うん、完成!!」)。
年甲斐もなく若者とハイタッチをしてしまう感じの開放感(「うおぉー!」)。

周りのみんなは、自分の作業をしながらも、意識は半分以上、横で出来上がりそうな靴に持って行かれています。靴ができた時には作った人と同じように喜び、少し羨ましく感じ、ふとした時に自分の作業を思い出し、完成までの先の長さに少し落胆し、「頑張らねば」と気分を新たに作業を始めます。何ともうまく言えない雰囲気が工房を満たしていました。

私達が靴教室を始めた理由は、この瞬間、この雰囲気でした。
この瞬間、この雰囲気をみんなに味わって貰いたかったからです。「知らずに死ぬのは勿体無い」と本気で思っています。もちろん、自分の足に合った靴を履いて、たくさん歩いてもらいたい、という思いもありますが、「自分の手を動かしてモノを作る」という経験とか嬉しさ、楽しさをを色んな人と共有できたらいいなと思ったのが、この工房の一歩目でした。

靴工房を始めて良かったなー、って改めて感じた一瞬でした。

最後に、プレゼントをした彼が、本当に彼女のために靴を作っていた証の写真を並べておきます。彼から靴を受け取った、そこのあなた。
「自分で作った靴って、ホンマかいな」
と思っているかもしれません。その疑問は至極当然です。でも、彼は本当に靴を作っていましたよ。

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