靴屋の靴は穴だらけ。

京都・靴工房かたつむりの日記

これで越せない日本の冬はないと思う。ムートンルームシューズのワークショップ。スタートです!

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寒くなってきた途端に、自分の冷え性を1年ぶりに思い出す今日この頃。
底冷えの京都を乗り切る最強アイテムが新たにワークショップに登場です!

暖かすぎるムートンルームシューズ。
履いてみて。履いてみて。試着したら脱げなくなるから。
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シンプルに本体を縫い上げるだけなら、
裁断→穴あけ→手縫い
両足作って3時間でいける!  
かな??
楽観的過ぎるかな?
どっちにしても、いろいろあるワークショップ史上最強簡単なことは間違いないです。

チクチク並縫いするだけなのです。
ローリスクハイリターン!
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形は、短い丈(右)と、折り返して履くこともできるブーツ丈(左)の2種類。

サイズはS、M、Lの3種類。
(ムートンは毛足でおおらかに足を止めてくれるので、だいたいの人がこの3サイズで問題ないと思います。いろんなサイズの生徒さんにも足を入れてもらいました。)

基本的に同じ形ですが、
➀縫い目を外に出して縫うだけの簡単仕立て(写真右)
②前センター後ろセンターをテープ状のもの(革でもリボンでも)で留めるタイプ(写真左)
(②の方が当然時間かかります)
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ママが一生懸命作ってるファーストシューズも楽しみだけど、
このモフモフもいいでしょ〜
そうそう。ホッペにスリスリしたくなるよね。
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履いた!
おお。足がよれてる。。あぶないあぶない。。
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大人が履くとこんな感じ。
とにかくオーバースペック気味に暖かいっす。
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寒いお部屋にお住まいのそこのあなた!
もしくは、部屋は暖かいはずなのに、異常に寒がりなそこのあなた!
暖かさはお約束します。ぜひ作りましょう。

自分があったまりたい。もあり。
なんだか寒そにしてる誰かもついでに温めたい。もあり。

そう。
クリスマスプレゼントにもいいんじゃないでしょか。
もう一回言います。
ローリスクハイリターン!
不器用自慢のそこのあなたも是非どうぞ。

工房の床もだいぶ冷えますけど、もうそろそろ私は日が落ちてからの残業時に、これ履いてると脱げなくなる感じです。。ま、私はだいぶ寒がりです。もともと真冬にノースリーブのニット着てる女子が理解できません。。
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ミシンは乗ります。裏の毛足は踏みますけど。
いろいろアップリケしても可愛くなりそう。
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本体に縫ってないですけど、想像してね。
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いろんなバージョンのサンプルを作りたいのですが、
実は、ムートンの量が限られていて、一足でも多く皆さんに回したいので、サイズサンプル片足ずつしか作っていません。

できるだけムートンは切らない!ということで、試作1号はプチプチで作るという涙ぐましい努力。
(プチプチ2枚重ねがムートン一枚弱というザックリした想定でやってみました。)
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なので、以下、全て頭の中で実際にくっついてるものとして想像してくださいね。

例えばボタンとか。
なんか付けられそうな可愛いボタン、引き出しに眠ってないですか?
(写真のボタンは、だいぶ昔に沖縄で購入した素朴なボタンいろいろ)
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自分で織ったカード織りの紐。
左の水色の方には、本当に縫い付けてみました。
ここまでしたら、思い入れたっぷりの完全オリジナル。
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でも、自分で一から素材作らなくても、ちょっと四条通りのノムラテーラー行ったら、おっ。使えるんじゃない?ってものがワンサカあります。

バブーシュワークショップでも、なにかもう一声って時に「帰りにノムラテーラー寄ってみます」って人が結構多いですが、ムートンに合いそうなものもいっぱいありました。
ミシン乗るので、ワッペンもいけるね。
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端革ボックスの中のものは自由に切り出して使ってもらってオッケーです。
靴のパターンが取れるほどの大きさはない、というだけで、悪い部分ではないし、
お宝がザックザク。
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ほんと乗っけてるだけだけど、想像してね。色々可愛くできそうでしょ?
私はやっぱり色数の多い賑やかなのが好きなんだな〜

以下詳細。


ワークショップ料金

短い丈
S (21〜22.5くらい)10500円
M (22〜25くらい) 11000円
L(25〜28.5くらい)12000円

ブーツ丈
S(21〜22.5くらい)12000円
M(22.5〜25くらい) 12500円
L(25〜28.5くらい ) 14000円

滑り止めを貼りたい人 上記にプラスして 1000円

(以上全て税別)
高いけれども、ムートンの原価がものすごく高くて、これ以下は無理っす。
来年この企画がリピートできたとしても、この値段では出せないと思います。

色は5色
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ですが、右の2色(黒とオレンジブラウン)はそれぞれ1〜2足分で終わってしまうくらいの量しかありません。

ムートンの在庫がなくなりましたら、来季まで仕入れできませんので予約を一時ストップします。
各色の仕入数にはばらつきがありますので、売り切れて選択肢から外れていく色が出てきますことご了承ください。
サイズや丈が違うパターンなので、実際に何色が何足分取れるかはわかりません。
色指定でのご予約は承れませんので、宜しくお願いします。

どんな色でもクリエイティブに!という精神で宜しくお願いします。
(予約順ではなく作業日順で好きな色を選べます)


完成までの所要時間について
一番単純な外縫いで縫うだけだったら3時間前後。
いろいろオリジナルで足したい人は時間無制限で気のすむまで作業してください。
縫うのはとっても単純なので、本体の装飾をいけるところまでやって、組み立てはお家で、というのもできると思います。
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ホームページにワークショップページ作るの、ちょっとタイムラグあるかもしれません。
このブログで予約解禁にします。

何足作りたいか、
希望の日時をご連絡ください。
(生徒さんで「作りたい!」と言ってくれた人も、足数把握したいので、もう一度意思表明してもらえると助かります)
(メール、工房オープン時間内なら電話でもオッケーです)
工房オープン日程は下記ページをご覧ください。


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みんなでヌクヌク。
ご予約絶賛受付開始〜‼︎!







キラリと光る新着完成靴たちのご紹介と、工房のオープン時間変更のお知らせと、チケット制新規募集止めます、のお知らせ。

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人の才能というものは多岐にわたるものです。
「多摩動物園」の写真集を傍らにおいて、なにやら羊やらハリネズミやらをミシンでチャカチャカ刺繍し始めた生徒さんを見たときは、う〜ん!と唸ってしまいました。

イラスト集じゃないですよ、
写真集ですよ。写真から一筆書きの一本の線で特徴を拾えるってすごいね。。
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お兄さん夫婦に生まれた赤ちゃんに。
とっても喜んでもらったみたいです。

2人目生まれたら、シリーズでいけるんじゃない?
動物シリーズで。
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そんな、いつでもタッタカター♫ とミシンを踏む彼女は
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こんなバブーシュなんか、3時間もかからずに隙間時間にタッタカター♫ なわけです。

エナメルでも、みんなが実はちょっと苦戦する底縫いでもドンと来いな訳ですわ。
「ま、直線なんで貼らないで縫いま〜す」みたいな感じですわ。
タッタカター♫
良い子は真似しないでね。笑。
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も1人、別の意味でチャッチャカチャ〜♫と作る人は、
こんな洒落たモカシンを作った後、
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他の生徒さんが「ギョッ」とするスピードで
(誰かホントに言ってた気がする。)
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2足目のモカシンを作ってしまいました。
まあ、モカシンは、木型とパターンがあれば確かに2足目はとても早くできる靴ではあるのですが、
こちらの場合は、それにプラスして、お家に革を扱う制作環境がある、「いつでもどこでも」な感じが、チャッチャカチャ〜♫ を生んでいます。
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一足目とはうって変わって無骨でラフな感じに纏まりました。
同じ靴をバージョン違いで作るのはオススメです。
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自作の長財布とお揃い。自前のエレファントの革をお家で切り出してきました。
しかし、財布とお揃いのモカシン持ってる人なんて他にいるのかね。。すごいね〜
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さてさて。
閑話休題。
ちょっとお知らせです。

通っていただいている生徒さんには、チラホラと、打診をし、調整をし、お知らせをしたきたのですが、11月から工房のオープン時間を少し変えようと思っています。

新しいオープン時間は

木金  10:00〜13:00
         14:00〜17:00

土      9:30〜12:30  
          13:30〜16:30
          17:00〜20:00

日       不定期。ホームページで前もってオープン日をお知らせします。

これまでは、水〜日の週5日、毎日同じ時間帯で2コマずつ開けていました。

変更点としては、

1:新たに水曜日は完全にお休みとなります。

2:土曜日は3コマに増えます。→3コマ化にあたり、土曜日のみ、午前クラス、午後クラスの時間帯がそれぞれ30分ずつ早まっていますのでご注意ください。お昼ご飯休みはこれまで通り、一回工房の鍵を閉めて私も外に出ますが、午後クラスと夜クラスの間の30分は、開けたままにします。「午後クラス、夜クラスで通し」という生徒さんがいる場合には、工房にいてもらって構いません。まあ、各自うっすらオフってお茶でも一杯飲んでください。やる気、体力に満ち溢れている、もしくは締め切りがあって非常に焦っているという人は、おやすみ時間にガツガツ作業していただいても構いません。が、私もうっすらオフってコーヒー一杯と甘味くらいはいただくと思いますので、その辺よろしくお願いいたします。

3:日曜日は、月1〜2回程度を目安に開けたいと思います。
      季節感のあるワークショップなども考えていく予定です。
     月によって第何週をお休みにするかは変えるつもりでいますので、ホームページに半年先くらいまでの日曜日オープン予定を載せておきます。日曜日でないと来られない方はそちらで日程をチェックしてご予約ください。
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全く宣伝していないにも関わらずチラホラといただく注文靴の作業時間が取れなかったり、
新たなワークショップのアイディアを練って準備する時間的余裕がないこと、
工房を次の段階に進めるために必要な、ちょっと「馬力」「勉強」の必要なアレコレに割く時間的精神的余裕が取れないこと。
たまの日曜日に、ちょっとでも小さい子供を囲んで家族みんなで過ごす時間が必要なこと。

いろんな今の状況をウンウンと考えて、このように決めてみました。

通いやすくなる人、
逆にちょっと通いにくくなる人、
いろいろいらっしゃると思いますが、
是非ご理解いただき、新たなオープン時間でご都合つくときに遊びに来てくださいませ。


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それから、オープン時間の変更の他にもう一つのご連絡。

これまで、月4回消化する通常のお教室の他に、4回あたり2000円高い「チケット制」を設けていましたが、

新たなチケット制の募集は停止します。

(今現在チケット制で通っている人は、最初に申し込みいただいた時にそういうお約束をして通っていただいていますので、そのままの扱いで通っていただいて大丈夫です。)

チケット制を止めることは、だいぶ悩んだのですが、
決めた理由としては、
「なんとなく見ていると、通ってくる生徒さんのリズムがうまく作れないようで、通い方の選択肢としてあまり機能してない」ように思ったからです。

「靴を作る」ということは、モノづくりの中でも、作業工程が多く、何ヶ月もかけてじっくり作っていくというタイプの習い事です。
多岐にわたる作業工程の中で、それぞれに、当然のことながら得意不得意があり、苦手だなと思うところは、「今日私進んだんだろうか…?」と思う日もみんなあることと思います。
私にもそんな日はあります。

そんな時に、
生活の中に、「今は靴を作っている」というラインが一本通っていると
「大丈夫、来週来てリカバリーしよう」と思えるけれども、

「久しぶりに来たのに、全然進んだ感じしなくて、一体いつ出来上がるんだろう…」って思ってしまうと、気持ちの持ちようとしては難しくなっていくかな。

久しぶりにジム行ったら、体力落ちててめげた、みたいな。
ジムも、ある程度習慣化してマメに通うから、体力ついて→上手になって→楽しくなっていく、んですよね。靴作りもちょっと似ているように思います。

とは言え。
皆さん、学生さんだったら試験の日程、お仕事だったら、繁忙期その他。
色々あります。
今後は通常教室のみの募集になりますが、1ヶ月単位でお休みが必要な時は、わかった時点で前もって言ってもらえれば、お月謝が発生しないお休み扱いにしますので、遠慮なく仰ってください。(というか、これまでもしていました。ゴメンナサイ、私がホームページにちゃんと載せていませんでした。。)

実は、夏前くらいから見学に来てくれた人には、ホームページを見て「自分はチケット制かな?」と思って来てくれたような人にも、上記のような説明をして、「まあまあ何ヶ月かかかるものなので、いつも同じ曜日に通えなくても構わないし、通えない日の振替も認めているので、通常教室の方が流れが生まれていいと思います」というようなことを説明し、それを聞いて、ほとんどの人が「それなら、通常教室でやってみます」という風に言ってくれたのもあって、ちょっと一回チケット制を止めてみます。


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以上。
オープン時間変更のお知らせと、
チケット制止めます、のお知らせでした。

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日曜日を半分閉めるというのは、ちっちゃな自営業としてはちょっと勇気のいることで、だいぶしばらくウダウダと悩んでいたのですが、やっと決めました。
まあ、この人は飛び上がって喜んでいます。笑。
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そうだ。生徒さんの中にも1人休むの大賛成って言ってくれる人がいた。
私が土曜日3コマ化を伝えた時に、唯一
「先生働きすぎです〜」と言ってくれたNさんの初めての試着靴の写真で今週はお別れしましょ。

そう言えば、夏休み5週間休むという、チキンな私には大きな決断だったあの時も、1人
「もう来年は2ヶ月くらい休んじゃったらいいんですよ〜」と言ってくれたのは彼女でした。

ではでは。
新たなオープン日程で今後ともよろしくお願いします!



フランスに旅立ったKさんへ。〜軽い荷物と楽しむ心 × 重い荷物と頑張る心〜

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手帳の元旦のページに
「今年は靴を習いに行く」
って書いたんですよ。

と、なにかの雑談の中で教えてくれたKさん。
ああ。元旦のページに書くような強い気持ちでかたつむりを見つけてくれてありがとう。
と、密かにじんわり感動したりしていたのでした。
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楽しく靴を作り始め、
毎週毎週、
多少失敗したり、調子良かったり、
色々しながら、通ってきていました。

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着実に一歩一歩、というタイプ。
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一足目の試着靴のこの縫い目。
正直ガタガタ。。
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からの、
本番靴でのこの縫い目。

このビフォーアフターは、
私が一人で勝手にずっと新しく入ってきた生徒さんに語り継いでいるのですが、
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まあ、いわゆる真っ直ぐな頑張り屋さん。
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そんな彼女が、
ちょうど1年前の今頃、教室終わりに
ちょっと先生にご相談が。。と言って

フランスに靴の勉強に行きたいと思っているけど、いろいろあーでこーで迷ってるんです。

と言ってきました。

周りにはいろいろと冷静なアドバイスをしてくれる人たちがいるようでしたが、
私は毎週揺れ動く彼女に

ぜったい 行〜き〜な〜よ〜‼︎

と言い続けました。
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じっくり心を固め
(2014年の元旦には靴を習いに行く、と書いたけど、2015年の元旦には、きっと、フランスに行く、と書いたはず。)
3月末で会社を辞める決心をし、
自分の靴を仕上げてからは
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ひたすらお世話になった人たちへの贈り物作りが始まりました。
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「あの人にも、この人にも…」
出発への準備を一つ一つ整えていく。

お世話になった会社の同僚には、三者三様の個性的なコインケース。
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一番の親友には、フェルトのポンポンのついたポップなバブーシュを。

ずっと友達でいてね
って英語で中敷にメッセージ。
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鴨川べりで桜見ながら手縫いで仕上げていたのは、お母さんへの外履きバブーシュ。
お母さんへのバブーシュ作っていたのは春頃だったんだね、と私もこの写真を見て思い出す。
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出来上がった翌週に「喜んでらした?」と聞いたら、
「ゴミ出しくらいしか履けない、って言われました〜‼︎」と言っていたけど、

後日もう一回聞いたら、
「棚に飾って履く気配ありません」って言ってました。笑。
お母さん、嬉しかったはず。
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そして最後にパートナーへ。
色からなにから全てにおいてじっくり悩んでいました。
白の色が、一段クリーム色掛かってたのが最後まで気になっていたようで、
「もう少し真っ白、ありませんか?」って何回も聞かれました。
あの時はなかったの〜ごめんね〜
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星型の飾りカシメがいいアクセント。
これも外履き用にソール貼りました。
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合間に作った自分用バッテンサンダルは、
何風とも言い難い多国籍な感じがバツグンに可愛かった。

ソールに貼った布は、お母さんの引き出しから掘り出してきたレトロ柄。
パリの蚤の市でいろんな素材を目をキラキラさせながら探してる姿が今から目に見える。
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なぜか「自分はちょっと手が遅い」と思ってるっぽい彼女は、
いつも出来上がる日に、出来上がると思って来てないので、
イマイチな足元で現れる。。
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パリで履くということで作ったこの渋かっこいい外履きバブーシュができた日も、
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マジで??
という感じでしたが、、
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最後のお教室の日に作ったワラーチに合わせた靴下は、バッチリだったんじゃないでしょうか!

金魚の柄が爽やかな日本の夏を演出する一足は、それを選ぶ感覚がすでに、
あ〜私はこれをパリで履くんだってモードになって選んでるな〜って感じがもの凄く伝わってきました。
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オシャレなロングタイトスカート履いてきて、
スカートが開かずにミシンの押さえが上げられない日もあったね。懐かしいね。笑。

いよいよ出発が近づいた最後の1ヶ月くらいは、なぜかずっと「荷造り」の話ししてたように思います。
入りきらないから、とりあえず放りだしてるってずいぶん直前まで言ってました。


何がそんなに詰まってるの?
軽く行きなよ〜
ってずっと言ってたんですが、


そんなある日。
お休みの日にランチに入った京都三条の伊右衛門カフェで(えらい具体的…)、
大テーブルの向かいに座った、京都のとある大学の医学部の教授らしきおじさんと、医学書の出版関係のお仕事らしきおじさん2人が(いや、ちょっとディテールを大事にいきたい…)、
日本茶を啜りながら話していた会話を、

私もまた日本茶を啜りながら、それとなく聞いていたのですが、

「 今は、重いものを持たない、というのがほとんど文化のようになってしまいましたね」
と。

学生が本を買わないのは
「勉強しないから」ではなく、
「重いから」
と。

瞬間
「一番重くて削れないのは、勉強の本なんですよね〜」と彼女が言ったことをくっきりと思い出した私

そしたらそしたら。。

「もう荷物どうしてもスーツケース一つじゃまとめられないし、ANAだけは、二つ荷物持ち込めたんで、ANAの切符取ったんです」
とか
「パリの街も意外とバリアフリーじゃないから、自分でその荷物全部抱えて、地下鉄の階段全部登ることになるかも…はぁ…」

なんていう、なんちゅう可愛らしいネガティブトークなんだと思って笑って聞いていた、こんな彼女の言葉の一つ一つが、
パタンパタンとオセロがひっくり返されるように
最初に感じたのとは違う響き。

そうか。自分で担いで地下鉄の階段登るって覚悟してるんだから。
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出立の近づいた彼女は、実際にもうできることもそんなにないのに、気持ちの中だけがバタバタと不安整理で忙しそうで。。
まあ、パリ行くったってさ〜そんなに色々バラ色じゃあないわなぁ〜

シャンゼリゼには犬のフンがゴロゴロだから下向いて気をつけて歩かないといけないし、
時には人糞だって落ちてるらしいし、(げっ…)
まあまあ露骨な人種差別に傷つくことも一回や二回じゃないだろうし、
ホストファミリーと合わないかもしれないし

まあそんなんも全部オセロひっくり返れば全く違うステキな経験になりそう。
と思うのは、パリ行きが羨ましい第三者ばかり。

「こんな秋の寒くなっていく陰気な季節に旅立っていいんでしょうか…」
と言った時には、さすがにゲラゲラ腹抱えて笑ってしまったわけだけれども。。

パリに旅立つという人へ、周りの人間が感じる羨ましさと、
本人の不安、恐怖、プレッシャーが見事に反比例していった最後の1ヶ月くらいでした。笑。
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餞別には、かたつむりが愛してやまないオルファのはさみ(Sサイズ)を。
かたつむりに来たことある人はみんな知ってる、なんでも切れちゃう抜群のはさみ。

カードには「楽しんでね!」って書いたのに、
別れ際に、やっぱり条件反射で「頑張ってね」って言っちゃって、
「いやいや、頑張らなくていいから、楽しんできてね〜」って言い直したら、彼女も
「楽しんできます!」って言って出て行ったけど、

やっぱり、彼女はメチャクチャ頑張ってこようと思ってるんだから、
「頑張ってね!」で良かったのかも、とその後思ったりして、
一人、あ〜、とか、ふ〜んとか、
次の人生を歩き始める人に対する余韻にしばらく浸っていました。
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最終日。
「本当にお世話になりました」と言って出て行く彼女の足元をパシャり。何回見ても可愛いサンダルです。

私も毎週楽しかったです。
また逢う日まで。元気でね。


ハレの靴もケの靴も色々作ってきた。が、運動会スペシャルだけはいつもちょっと特別なのです!で4ヶ月ぶりにブログ復帰スペシャル〜

うちの子も、周りのお友達もみんなチビっこかったな〜
息子4歳の「大運動会!」を終え、写真の整理しがてら2年前の運動会の写真を久々に見る。
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キャラに似合わず、ギラギラのタイガーマスクみたいな靴履いて、先生やお友達に囲まれる息子。
運動会にはなんか特別な靴作ってあげたい、と、最初の年(1歳児クラス)に作ったこの靴がきっかけになって、毎年、運動会のために靴作ってやるのを楽しみにするようになりました。
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2年目は「青と緑とキラキラ」という本人オーダーに
①私が応えきれなかった
のか
➁彼の腹の虫の居所が悪かった
のかはわかりませんが
一生懸命作った靴を
「いやや」の一言でバッサリ切られ、直前に作り直すことになり、
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持ち時間の少ない親が慌てふためくのを横目に、本人は
新しく作り始めた靴のカカトのスポンジ部分で、こんなんしてゴキゲン。
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一転して黒とゴールドの靴。
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彼の意見を全く聞かないで作ったカラーリングだったにも関わらず、
なぜか気に入って、この靴でかけっこ走ってくれました。

そしていよいよ今年。
「よし!今年はどんなん作る?」と聞いたところ
「山手線がいい」
という一言を受けて…

シルバーの革ないなあ…
黄緑のラインはどうやってつけるかなあ…

としばらく悩んだ後取り掛かったものの、、
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靴の立体にどう電車を盛り込むのか決めかねて、生徒さんに難しさをグダグダと喋っていたら、
絵心のある生徒さんが、私がぼんやり思ってたんと違う「靴の前面を電車の前面に見立てる」という難易度の高い絵をサラサラと描き始めて私を追い込む。
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うん、でも、それ私にはちょっと難しい。
ということで、安易に「ストラップに車両を這わす」というデザインに決定。

喜んでくれるだろなーと
途中経過の写真を本人に見せたところ、
「路線図は?  片足は路線図でいいねんけど…」

というまさかの一言。
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参考写真。
以前作った「ラピートと京都の路線図」
意外に気に入っていたらしい、靴に路線図。

今年は絶対に作り直さない。
と、決めていたので、素知らぬ顔でスルー。
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で、こんなんできました〜
青と緑とキラキラ、という去年のテーマをなぜか今年の靴がバチッと体現している。

何人かの生徒さんが写真見て、「黄緑のラインどうやってるんですか?」って聞いてくれましたが、
これはね、革に描けるペンで線引いているのです。
黄緑の手縫い糸で縫おうと思って、まあその恐ろしい手間も辞さない!という感じだったんですが、ちょっと色が沈んだのでね。ペンで書いたほうが蛍光感があって色がよく見えたので描いてみました。


か〜ら〜の〜
運動会当日‼︎



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今年はかけっこ裸足〜‼︎

いや、うっすら覚悟はしていた。
贅沢なただの入場行進シューズになるんじゃないかと思ってたよ。
という予想か〜ら〜の〜

まさかの入場行進からオール裸足〜‼︎

まじか。
これには正直ビックリだったが、
この毎年私だけが騒いでる「運動会スペシャル」は、
まさに私だけの自己満足プロジェクトであることがはっきりした瞬間でした。
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でも、裸足でかけっこだって速いのよ〜
ひと夏、ワラーチがっつり履いたからね。
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夏の旅行も親子でワラーチだったね。
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でも、こういうヤラセ写真も一応撮っておくよ。
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う〜ん。炎天下になかなかキラキラと輝いていい感じだった。

これは、母の楽しみだからね。きっと来年も作ってあげる。
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そして、あわただしく午後のお教室へ。
運動会で使った望遠レンズをつけたままなのに気がついたけれど、
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近くのものを望遠レンズで撮って見えてくる世界はなんだか自分の工房とは思えないほどキラキラしていて、そのままにしてみました。
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補正中の木型や、
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中底を切り回す生徒さんの手元も、
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みんなみんな
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いつもよりなんだか神々しい。
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若いエネルギー爆発の運動会からの、
大人がワイワイ靴作り。
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そして、この日のお教室後には、
生徒さんの、御歳90歳のおじい様が採寸に来てくださいました。

健康で外をちゃんと散歩もされている90歳の方の足を拝見する機会はなかなかなく、
ふっくらと柔らかい足を見せていただいて、なんだかじんわりとした感動がありました。

「おじいちゃん、どんな靴がいいの?」というお孫さんの言葉に
「黒茶はいらん。ねずみにしよう。」という一言がとてもカッコよかった。

90歳。
黒茶の靴はもういっぱい持ってるし、いっぱい履いてきたんでしょう。
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ベレー帽被っておしゃれでした。
春の大きな晴れ舞台に間に合いますように。お孫さんが作ります。

涼しくなってきたのでね。靴も作りやすくなってきました。
個性的な靴が色々進行中なので、楽しい秋になりそな予感。

ではでは。なにげに4ヶ月ぶりに書いた復帰ブログでした。



返信メールが届いていないという方へ

8日(木曜日)からベビーシューズワークショップスタート希望のIさん。
メールが弾かれて遅れていないようです。
木曜日大丈夫ですよ。

その他にも、夏休み前に教室入会ということで、採寸をしたYさん。
バッテンサンダルの修理希望の方。

連絡をずっとしているのですが、どうも上手く届いていないようです。

なにか違うメールアドレスからもう一度送っていただくか、
電話番号、ファックス番号などの別の連絡手段をお持ちでしたら、その情報を書いてもう一度ご連絡いただきますよう宜しくお願い致します
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